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ゆるキャラ新時代
 かつてみうらじゅん氏(漫画家・イラストレーター)は、いみじくも名づけた「ゆるキャラ」の要件として、「郷土愛に満ち溢れた強いメッセージ性」「立ち居振る舞いの不安定さ・ユニークさ」「愛すべき"ゆるさ"」の3つをあげています。イメージとしては、(愛ゆえに)ご当地自慢を盛り込み過ぎて、(シロウトゆえに)説明されないと何がなんだか分からない、(ひたむきさゆえに)微笑ましく、(注目されたいがゆえに)突っ込みどころ満載となった「憎めないキャラ」といったところでしょうか。
 かの「ひこにゃん」以降、地域や自治体でマスコットと云えば、もれなく「ゆるキャラ」といったご時世ですが、公募による一般人のデザインにより制作費がかからない、ビジュアル的にメディアに乗りやすく訴求力がある、ネットやクチコミがおもな媒体なので宣伝費をかけずに高い認知度が得られる、などともてはやされ、公共機関や制度等のPRキャラなども含めると優に1500は超えると見られています。これまたB級グルメ同様、泡沫キャラも数知れず、先の裁判員制度導入時など全国の検察・裁判所関係で60以上ものキャラが乱立する騒ぎに発展。ことここに至って淘汰は必至と、ゆるキャラ界も費用対効果をにらみつつ、資本もしかるべく投下してじっくり育成していこうという流れのようです。
 さて、そこに真打ち登場の声ありなのが、熊本県の「くまモン」。まごうかたなき「ゆるキャラ」ぶりながら、その「ゆるさ」にはどこか風格すら漂い、ためつすがめつも愛らしさにスキがない。それもそのはずで、仕掛け人は放送作家の小山薫堂氏、キャラクターデザインは水野学氏。…とくれば「それってもうゆるキャラじゃ無いのでは?」と云われそうですが、確かにくまモンは、地元天草出身の小山氏の押しかけ提案から始まったもので、プロモーションのほとんどを県のブランド推進課が担う、いわば「プロのゆるキャラ」。認知までのストーリーも本格的で、例えば九州新幹線の開業をにらんだ関西圏でのPRでは、まずSNSやネットで仕掛けておいて、街なかにランダムに出没させ、目撃クチコミが盛り上がったところで一気に大量のポスター展開(50種類)、素性を明かしてマス媒体へと、プロ顔負けの周到さ。運用でも、商標権を県が買取り、使用料を無料にするなど思い切りもよく、熊本県のブランド力向上に寄与すると判断されれば、県外からでも使用許諾OKと太っ腹、すでに申請件数は7千件を超えたもようです。
 郷土愛に溢れたサポーターも味方に、単なる経済効果を越えて県のブランド力を支えるまでになったゆるキャラ「くまモン」。先ごろ臨時職員から知事直轄の営業部長に昇進した模様で、ますますのご盛栄ぶりです。

山田 順造(デザイン室)

売り出し中のころのポスター

売り出し中のころのポスター(くまモンオフィシャルサイトより)

写真:街頭でのくまもとキャンペーン時のくまモン

くまモンのいるところ必ず人だかりあり


国宝のあるまち妻沼
 かつて東武妻沼線というローカル線があり、先の戦中に整備されました。戦後、熊谷と妻沼を結び営業を続けていましたが、昭和58年モータリゼーションの進展により赤字路線となり廃止されました。妻沼は、熊谷駅からバスで北に30分程のところにあり、平成17年の熊谷市との合併以前は、妻沼町と呼ばれていました。
 今年7月、妻沼の中心にある妻沼聖天の聖天堂が、国宝に指定されました。国宝指定は、埼玉県の建造物では最初であり、まちはこれを機に観光PRに力を入れています。
 聖天様の脇に、聖天様縁結び通りという商店街道路があり、ここで春と秋の年2回、手づくり市が開催されます。この秋は125の出店がありました。各出店者の市は道路沿いの建物の敷地を活かし開かれるため、道路占有がなく警察協議はありません。出店者と建物所有者との交渉で場所が決定します。出店者は手づくりが条件です。このため、世界にひとつしかない作品が持ち寄られ、昔懐かしい風情がある商店街に並べられます。
 手づくり市委員会事務局スタッフには、若い世代が多く、活気に満ちあふれています。一方、妻沼聖天は日本三大聖天の一つとして知られ、とくに縁結びの霊験あらたかです。このため、業界の独身プランナーを中心とした人材支援が望まれます。

高尾 利文(第二計画部)

写真:妻沼聖天の聖天堂

国宝となった妻沼聖天の聖天堂

写真:道路沿いの建物敷地内で開かれる市(いち)の様子

道路沿いの建物の敷地内で市が開かれる


待てない人たち

 先日、出勤途中に自宅の近所でこんな光景を見た。
 幹線道路からトラックが左折して細街路へ入ろうとしていた。しかし、駅が近いこともあり、横断歩行者の列が途切れないため、トラックは横断歩道の手前でしばらく停止していた。その後、横断歩行者の列が途切れたのを確かめてトラックが動き出そうとしたところ(数十センチ動いたかもしれない)、その横断歩道の1メートル程手前から走ってトラックの前を通過しようとした横断歩行者が現れた。仕方なくトラックは再度停止。これを見た後続の2~3人の歩行者もこの横断歩行者に続けとばかりに横断を開始した。結局、この数人の後は横断歩行者が現れなかったため、トラックは無事に細街路へ入っていった。
 しかし、何故先に動こうとしていた(または動いていた?)トラックに対して、我先にと手前を横切るのだろうか。ここで事故が起きた場合、責任を問われるのは一般的にトラックの運転者であろうが、怪我等の直接的な被害は横断歩行者もうけることになる。トラックが横断歩道を通過するのに要する時間は1~2秒である。何故この時間が待てないのか。他人が自分の前を横切ると損をすると思うのだろうか。「自分一人くらいは」の気持ちなのだろうか。理解に苦しむ。
 こうした些細なことを無くしていくだけで交通事故は減ると思うのだが。

野澤 雅一(第一計画部)

写真:駅直近の横断歩道での信号待ちの光景

駅近くの横断歩道のよくある光景(イメージ)

自由通路整備の新たな展開
 鉄道で分断された市街地の一体化や、開かずの踏切の解消といった課題に対して、鉄道駅に自由通路があわせて設置されているケースは、皆様もしばしばご覧のことと思います。この自由通路の管理主体や費用負担などの仕組みについては、これまでは鉄道事業者と自治体による個別協議により決められていたため、事例によっては協議に時間を要し、事業が長期化することもあるようです。
 そこで国では、自由通路の整備や管理についてのルール化を目指し、円滑な事業推進を支援する観点から、平成21年度に「自由通路の整備及び管理に関する要綱」を定めました。これによりますと、自由通路は基本的に「道路法による道路」として整備・管理し「都市計画に定めるもの」と書かれています。つまり、本要綱を根拠として整備する自由通路は、都市計画道路として整備することになります(道路以外の施設として整備できる規定もあります)。
 また費用負担については、道路として整備する場合は整備費の全額を自治体側が負担することとなっています(駅舎の建替相当額など、鉄道事業者が本来負担すべき費用は控除)。ただし、都市計画道路を駅部に交差して指定すると、都市計画の影響範囲は天上天下に及ぶことから、鉄道事業者にとっては自由通路の上下空間を効率良く利用する妨げになることも予想されます。そこで、要綱には「都市計画の立体的な範囲」ならびに「道路の立体的区域」の指定を適宜活用することも盛り込まれています。
 都内では現在、本要綱を適用した自由通路の都市計画案件の検討も行われているようです。さて今後、「立体的な範囲を定める都市計画道路」としての自由通路がどれだけ登場するか、皆様も注目してみてください。

津端 知也(第二計画部)

図:自由通路を都市計画道路として整備するケース

今後、自由通路を都市計画道路として整備するケースが出るかも…

自由が丘の歩行環境
 前々号のホットニュースにおいて、自由が丘地区の平成24年度都市景観大賞(都市空間部門)受賞について紹介されています。私も平成 21~23年に自由が丘地区都市再生整備計画事後評価などの業務に携わっていたことから、当地区について少しふれてみたいと思います。
 当地区が都市景観大賞を受賞した一因として、ブールバール街における官民一体となった歩道空間があります。これは商店街の1階部分の民地を 1.5m後退させ、既存の歩道とあわせて全幅員 2.5mの歩道として整備した地元協力のもとにつくられた歩道です。この民地 1.5mの後退をはじめ、建築物の形態・意匠等については建築協定により運用されており、通り全体が統一された歩行空間となっています。
 しかしブールバール街の歩道空間は、自由が丘駅の駅前広場から北へわずか 85mの区間にしかなく、しかも現状では自由が丘駅周辺の歩道は、このブールバール街と駅前広場にしかない状況です。その他の道路は歩車未分離であり、自動車と歩行者が錯綜している安全、快適とはいえない道路が多くあります。
 建物の過密化などで歩道の用地確保が困難ななか、以前から休日午後に実施している自由が丘駅周辺への車両進入禁止の規制時間が昨年から3時間延長となったほか、ブールバール街をさらに北へ延伸した通りにおいても、1階部分を 1.5m壁面後退させる地区計画を一昨年度に策定するなど、歩行環境の向上に向けた取り組みは着々と進んでいるようです。

鈴木 一郎(第一計画部)

写真:官民一体により歩車分離を実現したブールバール街

官民一体により歩車分離を実現したブールバール街

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